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【解答速報】2026慶應義塾大学薬学部 英語入試正解

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慶應義塾大学薬学部の入試問題、本当にかっこいいテーマを選んでいますよね。この文章が伝えたかった「科学のドラマ」と「現在の危機」が伝わるようにお話しします。


1. 科学界の「4つのルール」(マートン規範)

アメリカの社会学者ロバート・マートンは、科学が正しく進むためには「科学者ならこうあるべきだ」という4つの精神的ルールがあると言いました。

  1. みんなのもの(共有性): 発見は自分一人の秘密にせず、世界中で分かち合うこと。

  2. 差別しない(普遍性): どこの国の誰が言ったかではなく、その「中身」だけで判断すること。

  3. 欲張らない(無私性): お金や名声のためではなく、ただ「真理」を知るために研究すること。

  4. まずは疑う(組織的懐疑主義): 偉い先生の言葉でも、自分の発見でも、証拠が出るまでは徹底的に疑うこと。

なぜこれが大事なの?

本文に出てきた「老科学者のエピソード」がヒントです。自分が15年も信じてきた説を、若者に「間違ってますよ」と言われた時、彼は怒るどころか「教えてくれてありがとう」と感謝しました。

これは、彼が「自分のプライド」よりも「科学のルール(真理)」を大切にしたから。これが科学の理想の姿なんです。


2. 科学の命は「再現性(リプロデューサビリティ)」

科学が、単なる「個人の感想」や「魔法」と違うのは、「誰がどこでやっても、同じ結果が出る」という点です。これを再現性と呼びます。

  • 昔の工夫: 17世紀の科学者ボイルは、自分の実験が嘘だと思われないように、たくさんの証拠人の前で実験を見せ、彼らに「確かに見ました」とサイン(署名)をさせました。

  • 今の問題: 現代では、研究者が「すごい発見をして有名になりたい!」「早く論文を出さないとクビになる!」というプレッシャーにさらされています。そのせいで、急いで適当な結果を出したり、他の人が試しても同じ結果が出ない「再現性のない論文」が増えてしまっているのです。

これを、本文の最後では「人々を賢くする(啓発)どころか、混乱させている」と厳しく批判しています。


3. ロザリンド・フランクリンの悲劇

DNAの構造を見つけたのはワトソンとクリックだと言われますが、実はロザリンド・フランクリンという女性学者の撮った「めちゃくちゃ綺麗なX線写真(Photo 51)」がなければ、彼らは正解に辿り着けませんでした。

彼女は自分のデータを大切に守っていましたが、知らないうちにその写真がライバルに渡ってしまいます。それを見たワトソンは「雷に打たれたような衝撃」を受けて、一気に二重螺旋の答えを導き出しました。

「科学のルール」では、本来は貢献した人にちゃんと「ありがとう(クレジット)」を言うべきですが、当時は女性差別もあり、彼女の功績は長く隠されてしまいました。


4. おすすめの関連図書

「科学って、ただの暗記じゃなくて、人間臭いドラマなんだ!」と感じられる本を紹介します。

書名 著者 おすすめポイント
『二重らせん』 J.D.ワトソン 本文にも登場するワトソン本人が書いた、発見の舞台裏。科学者の生々しい野心や焦りが分かります。
『ロザリンド・フランクリンとDNA』 アン・セイヤー フランクリンの友人が書いた本。彼女がいかに優れた科学者だったか、女性としての苦悩も描かれています。
『科学の発見』 スティーヴン・ワインバーグ 科学が今の形になるまでに、人類がどうやって「ルール」を作ってきたかが分かる一冊。
『捏造の科学者』 須田 桃子 日本で実際に起きた科学の不正事件を追ったルポ。なぜ「再現性」が現代で問題になるのかがリアルに分かります。

この入試問題は、「薬学という科学の道に進むなら、知識だけでなく『誠実さ』を持ってほしい」という大学側からのメッセージかもしれません。

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