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NEWSLETTER #08 パンデミック期の数学学力を考える

投稿日:2022年12月26日 更新日:

今月14日、ショッキングなレポートが全米教育研究所から公表された。それによると「学習意欲の低下は全米学力調査が示すより深刻。中学校の数学が優先されなければならない」さらに「同じ生徒を学年ごとに追跡調査すると、中学校の数学の低下が英語の低下の4倍であることが明らかになった」とあります。

全米学力調査のデータでは、3年生から8年生(中学2年生)の平均的な生徒の学習損失(Learning Loss)が、数学で半年分、英語(リーディング)で4分の1年分に相当すると推定されています。

日本で公表されている資料も  年度が異なる同じ学年の異なる生徒の比較調査を提供である。

今回明らかになった全米州(地区)のデータは、同じ生徒を学年ごとに追跡調査するといったものです。中学校の数学の成績が、英語科の成績の4倍も低下していることが明らかになるのです。

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はっきり言って、上のグラフの傾向はパンデミック以前(2017~ 2022)から起こっていたことです。しかし、州(地区)は同じ生徒を長期間にわたって追跡調査していなかったため(今回の調査は全米レベル)、問題の深刻さを見過ごし、パンデミックはそれをさらに悪化させました。現在では、3年生で大学や職業に即応できる数学の基準を満たした100万人もの生徒が、その基準から外れています。→学力が低下したということ。

早期読書はもっとひどい状況ではないでしょうか?調査によると、幼稚園児から3年生までの生徒のうち、学年相応の読解力を身につけているのは50%で、パンデミック以前は58%であったという。

中学校の数学は独特な難しさがあります。分数と小数をマスターする必要があり、それが高校での数学の成績を予測することになります。分数をしっかり学ばないと、算数から代数につながる坂道が壁になってしまいます。分数の知識が乏しいと、生徒は数学の意味を理解することをあきらめてしまうかもしれません。

ジブリ作品に「おもひでぽろぽろ」という作品がありますね。名場面もたくさんありますが、特に気になるのが「分数と分数の割り算」のくだりです。タエコの少しひねくれた性格が現れている、印象的なシーンですよね。
劇中では、2/3÷1/4という計算式を取り上げて、こんな会話が展開されます。

姉「九九を始めから言ってみな」
タ「九九なんて言えるよ、もう5年生だよ?」
姉「九九が言えるなら、どうしてこの問題ができないの!」
タ「だって、分数の割り算だよ?」
姉「はぁ(呆れ)。分母と分子をひっくり返して、掛ければいいだけじゃない。そう教わったでしょ?」
タ「・・・うん」
姉「じゃあどうして間違えたの!」
タ「・・・分数を分数で割るって、どういうこと?」
姉「えっ・・・」

これにはさすがの姉も黙ってしまいます。ここでタエコは、紙にリンゴの絵を描いて自分の理論を証明しようとします。

日本でもこの2年余りの各生徒の学力の推移は気になるところです。皆さまはお子様の学力をどのように見ていらっしゃいますか?次回はその対策に焦点を当てて考えてみたいと思います。  以上

 

 

 

 

 

 

 

 

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