第３章　男の子と海外留学 (2) ～６歳の大きな出来事～

こんにちは、現在アメリカの大学に通っているK.Tというものです。自分は中学まで、日本の学校に通っていて、高校から自分の意志でアメリカの学校に進学させてもらいました。今回は、海外に興味を抱くきっかけとなった、小学生時代の経験についてお話をさせていただきたいと思います。

僕が6歳の時、まだ小学1年生だった頃、母に連れられてアメリカ・ロサンゼルスで子ども向けのキャンプに３週間参加しました。

小学生から高校生までの子どもが、湖がある山の中の施設でキャンプをしながら過ごすというものでした。ちなみに当時、英語はイエスとノーしか話せず、一人でアメリカ人の中に混じるという経験をしたこともありませんでした。

キャンプ当日は、サッカーボールが５つくらい入りそうなバッグを背負わされテバスに乗るよう母に言われました。当然母もついてくるものだと思っていた自分は、バスが発車したのに外から手を振っている母を見て、大きな不安に駆られたのを覚えています（笑）。

キャンプにはスタッフを含め100人以上の人がいましたが、アジア人は自分だけだったので非常に目立ちました。そのため、行く先々でいろんな人から話しかけられたのですが、何を言われているか全くわかりませんでした。さらに、同年代の子たちには全く相手にしてもらえず、最初の数日間は夜な夜なホームシックになって泣いていたのを覚えています。

しかし、一週間もすると、なんとなく周りの言っていることがわかるようになり、簡単な単語だけで何を求めているのか伝えられるようになりました。それからは、キャンプのシステムも理解でき、自分のやりたいアクティビティを見つけrては積極的に参加していくようになりました。

この三週間にしたアクティビティは、ウォータースキー、モーターボートの運転、ジェットスキー、射撃、釣り、乗馬、ロッククライミング、ブギーボード、等々、日本では６歳の子には絶対やらせないようなことを体験しました。正直、今の自分が行っても十分に楽しめる内容だったと思います。

また、当時まだ６歳だったので、周りのスタッフの皆さんや高校生たちに非常に可愛がってもらえて、2週間もすると、ずっとここにいたいと思えるようになっていました。最終日には３週間生き抜いたという達成感と、終わってしまうという寂しい気持ちを抱きながら帰ってきました。　　（次回に続く）